第一回:高圧洗浄機について
家庭用高圧洗浄機と業務用高圧洗浄機では価格の差がすごいけど。この違いってなんだろう。
そんな疑問を持つお客様は多いのではないでしょうか。業務用高圧洗浄機の販売・修理を行っているヒラタケでは、お客様のそのような疑問にお答えします。
■構成部品の違いについて
業務用高圧洗浄機は家庭用の高圧洗浄機と比べ、構成部品が少し違います。
家庭用高圧洗浄機は主に、アルミ・プラチックが使用されているのに対し、業務用高圧洗浄機にはアルミ・プラスチック・真鍮が使用されています。ポンプ部分においては、耐久性の良い真鍮製で、カバー等のプラスチックも厚く丈夫に出来ています。真鍮が使われているので、家庭用と比べたら重量があるのですが、その分、耐久性に優れていて丈夫です。
次に高圧ホースですが、業務用高圧洗浄機は、ゴム・ワイヤー・ゴムの3層で構成されています。
これは家庭用に比べると非常に耐久性があります。
■故障について
長時間の使用や、不特定多数の方が使用するような現場には、耐久性のある業務用高圧洗浄機の方が向いているかと思いますが、いくら耐久性に優れた製品と言っても、機械ですので、使用を続けていれば、必ずいつかは故障します。
業務用高圧洗浄機は、非常に高価な製品です。
長く使って欲しいので、私はお客様に販売した製品を使用していただく際には、
「電気・水・オイルに注意してご使用下さい。」と言っています。
■電気(モータータイプ)の注意について
電気(モータータイプ)で注意をして頂きたいのは、下記の3点です。
・供給電圧は低くは無いか?
・延長ケーブルを使用する時は規定以上の物かどうか?
(ドラム巻きは電圧ドロップの原因になります。伸ばして使用することをお勧めします。)
・プラグはきちんとコンセントに収まっているか?
200Vのコンセントに良くあるケースですが、電気プラグにはストレートタイプ、引っ掛けタイプと多数の種類があり、20Aと30Aでは大きさも違ってきます。
ストレートタイプのコンセントで良くあるのが脱落です。
プラグやコードの重みで下がってしまい、単相運転になってしまうケースや、プラグ端子の緩みやプラグを外す時にコードを引いてしまい、結線がむしれてしまうケースがあります。さらに、お客様のコンセントのメスプラグ側の問題で、オスプラグのコンセント側の受け部分端子の広がり・腐食・ホコリなど・・・
水産関係のお客様で多いのは、塩分や水による端子部の腐食など。酪農関係のお客様では、ホコリによる通電不良や、ネズミがゴムやビニールコードをかじってしまうケース。
電気ボックスは暖かいので、そこを棲家としてゴキブリの糞や死骸による電気部品のトラブルも多数あります。
これは余談ですが、以前、私のお客様で200V冷水洗浄機を使っている方がいました。
そのお客様から、「突然、機械が動かなくなってしまった!!修理してくれ!!」と、すごい剣幕で電話があり、私は何事かと思い、お客様の元へすぐさま駆け付けました。
機械を調査したところ、マグネットスイッチを分解してみると、接点部分にゴキブリが挟まってスイッチが絶縁し、単相運転からモーターが損傷していました。
このような事があってから、ヒラタケでは、スイッチボックスを開けた時にゴキブリの気配があるマシンには、ゴキブリ駆除剤等をセットして対策を講じています。
■水の注意について
高圧洗浄機は水が無ければ使用ができません。
私は洗浄機販売・修理の仕事を平成元年からしています。
この仕事を始めたばかりの頃は、洗浄機の注文を頂いて納品の時には必ず、納品説明を行い、実際にマシンを運転して確認して頂き、お客様のOKを貰っていましたが、オイル漏れや圧力ピストン作動不良等のトラブルが多く起こりました。この時、給水フィルターは余り販売していませんでした。
しかし、給水フィルターを薦めるようになってから、パッキングより水を引き込でしまってのトラブルは激減しました。
洗浄機トラブルに水質は非常に大きく作用します。マシンが必要としている水の量はあるか?水圧は大丈夫か?水質は問題ないか?この3点は高圧洗浄機に大事な要素です。
■オイルの注意について
日常の使用で注意していただきたいのはオイルです。
これはゲージで確認すること。サブタンクで量を確認すること。保管場所や使用していた所にオイルが落ちていないかチェックすること。が重要です。
オイル漏れはモーター損傷につながり、高額な修理になってしまうケースがあります。
取扱い説明書をよく読み、「電気・水・オイル」に注意していただければ、トラブルは多少なりとも軽減できるのではないでしょうか。
■業務用高圧洗浄機の種類
業務用洗浄機は大きく分けて
・モーター式 冷水洗浄機100V・200V
・モーター式 温水洗浄機100V・200V
・エンジン式洗浄機(冷水タイプ・温水タイプ)があります。
今回は100Vタイプについてご説明します。
■100V冷水洗浄機
ケルヒャーの業務用100V冷水洗浄機には、HD605と、HD4/8Cがあります。
HD605は価格も安く、非常に人気のある機種です。
この2つの機種を比較してみると・・・
荷姿 |
吐出圧力 |
吐出流量 |
モーター出力 |
質量 |
トリガーガン |
ノズル |
|
HD605 |
横型 |
8Mpa |
400L/H |
1.4KW |
17.5KG |
ロングガン |
3ジェットノズル |
HD4/8C |
縦型 |
8Mpa |
400L/H |
1.4KW |
19 KG |
ショートガン |
3ジェットノズル |
商品スペックでは、さほど大きな違いは有りませんが、しいて言えば若干重量が重たい分だけHD4/8Cの方が丈夫に出来ています。(ハードな使い方のユーザー様にはHD4/8Cの方がお勧めかもしれません。)
※ 参考:価格は定価でHD605が¥100.000-・HD4/8Cは¥140.000-です。
■100V温水洗浄機
ケルヒャーの業務用100V温水高圧洗浄機には、HDS4/7UとHDS4/7Cがあります。
荷姿 |
吐出圧力 |
吐出流量 |
モーター出力 |
ボイラー加熱温度 |
質量 |
トリガーガン |
ノズル |
|
HDS4/7U |
縦型 |
7Mpa |
400L/H |
1.4KW |
65度 |
68KG |
ロングガン |
15度パワーノズル |
HDS4/7C |
横型 |
7Mpa |
400L/H |
1.4KW |
30-80度 |
100KG |
ショートガン |
2ジェットノズル |
HDS4/7Uは縦型でコンパクトに設計されていて、移動性に優れています。
さらには、寝かせても燃料が漏れません。
移動して使うことが多いユーザー様には向いていると思います。ただし、コンパクトにまとまっている分、メンテナンス性がHDS4/7Cに比べよくないかもしれません。ボイラー加熱温度についても、65度でHDS4/7Cより劣ります。
HDS4/7Cは横型で、従来からあるタイプです。
ボイラー加熱温度は30~80度でHDS4/7Uよりも高く、各パーツも余裕を持って配置されており、非常にメンテナンス性が良い製品です。
参考:燃料タンクと洗剤タンクの容量、価格
燃料タンクの容量 |
洗剤タンク容量 |
価 格(定 価) |
|
HDS4/7U |
6.5L |
¥380.000- |
|
HDS4/7C |
12L |
8L |
¥450.000- |
お客様の洗浄したい場所・どんな汚れの洗浄をしたいのか?それにはどのような問題があるのか?等、
ご遠慮なくヒラタケへ問い合わせてみて下さい。
少しでもアドバイスやサポートが出来れば光栄です。
最後に、洗浄にはいくつかの要素が有ると思います。
圧力・流量・温度・洗剤・そして使う方の馴れ・・・など。
そして、高圧洗浄機には追加で取り付けるアクセサリーなどが色々あります。
アクセサリーを併用することによって、高圧洗浄の作業性はさらに広がっていくと思います。
高圧洗浄機に関する疑問、質問などありましたら、まずはお気軽に相談してみて下さい。


